痛みで髪が茶色に…そうならないための工夫とは?
スタイリングのために鏡の前に立ち「はっ」とする、毛先が茶色く傷んだ髪。髪の色が抜けてしまう原因は、髪がタンパク質を失ってしまうことにあります。ここでは、髪の傷みのメカニズムや色抜けを抑える方法をご紹介します。
髪の傷みのメカニズムを知る
髪の傷みの原因は、タンパク質が失われることにあります。髪の毛は内側から「メデュラ・コルテックス・キューティクル」という3つの層でできています。
3つの層の真ん中にあるコルテックスはタンパク質の集合体であり、髪の90%を占めているため、髪の主成分はタンパク質であるとされています。
このタンパク質は、もっとも外側の層であるキューティクルがめくれあがってしまうことで、内部の水分が蒸発して外に流出してしまいます。その結果として、髪がスカスカの「傷んでいる状態」を引き起こします。 この状態になると、雨の日に髪が広がったり、うねりが起こったりします。
ダメージで髪が茶色になる理由
髪はダメージによって内部の細胞が裂けると、細胞が密集することで黒く見えていた色味が薄くなります。この現象により、傷んだ髪は茶色く見えるようになります。
カラーリングでは、コルテックスの中に存在するメラニン色素を脱色し、着色していきます。コルテックスを脱色する際に無理やりキューティクルを開くため、キューティクルがはがれて髪の細胞にダメージを与えます。
パーマの場合は、キューティクルを開いてから、コルテックスのさらに内側にあるシスチン結合という組織を一度切断し、好みの形状に再結合していきます。カラーリング同様、髪全体に大きくダメージを残すことがあり、その結果として髪の色味が薄くなります。
日常生活に潜む傷みの原因
キューティクルは、髪が濡れることで膨れ上がる特徴を持っています。そのため、タオルドライ時に髪を強くこすると、簡単に髪は痛んでしまいます。
長時間のドライヤーも禁物です。キューティクルは熱に弱いため、傷みの原因になります。ドライヤーをかける場合には、ドライヤーを髪から20cm程度離した位置で使用しましょう。
しかし、ドライヤーの熱がよくないからと言って、自然乾燥が望ましいわけではありません。髪が長時間濡れた状態ということは、キューティクルが膨れ上がり、髪は傷つきやすいということです。
そのままの状態で寝てしまえば、枕に髪が擦りつけられ、あっという間に髪はボロボロになってしまいます。
正しい知識で髪を守り色抜けした髪を卒業
髪の毛は死んだ細胞で形成されているため、傷みが完全に修復されることはありません。そのため、ダメージを与えないようにしっかりと日頃から意識を持つことが大切です。
夏にダメージが加速するのは、紫外線が髪に影響を与えるためです。帽子をかぶって日差しから髪を守り、UVカットスプレーを使用する方法が効果的です。
また、トリートメントの使用は、髪に直接栄養分を与えることができる代表的なヘアケア方法です。日々使用するシャンプーなどの成分も、タンパク質を補給できるものを選ぶとよりよいでしょう。
日頃の意識づけで、茶色に抜けた悲しい毛先から卒業し、視線を釘づけにする美しい髪を手に入れましょう。