
「軟毛はパーマをかけても思った通りの仕上がりになりにくい」といわれています。ボリュームの出ない軟毛だからこそパーマの助けを借りたいのに、叶わないとなるとがっかりしてしまう方も多いようです。どうして軟毛だとパーマがかかりにくいのでしょうか。その理由は軟毛の髪の構造にありました。
軟毛にパーマがかかりにくい理由を、髪がどんな成分からできているのかということから知っていきましょう。
そもそも軟毛ってどんな髪のこと?
軟毛は、一般的には「猫っ毛」といわれることが多いかもしれません。髪の太さが十分ではないために、髪の本数に関わらず全体的な量は少なくみえてしまい、「ボリュームが出ない」「スタイリングをしてもすぐに崩れてしまう」「ブラッシングしても絡まりやすい」「くせ毛の方はくせが出やすく、ストレートの方でも毛先ハネやすい」といった特徴があります。
また、大人の髪に比べて子どもの髪は軟らかく、大人になっても、東洋人に比べて西洋人は軟毛の人が多くなっています。
軟毛はキューティクルの枚数が少ない
ではどうして同じ髪なのに「軟らかい」「硬い」など違いが生まれてしまうのでしょうか。手で触った時の軟らかさ、硬さは主に、髪の表面を覆っているキューティクルの重なり具合で決まります。キューティクルの重なりは、魚のうろこを想像してもらうとわかりやすいでしょう。キューティクルがびっしり重なりあって敷き詰められているような髪は手触りが硬く、逆に重なりが少ない髪は手触りは軟らかくコシのない感じです。
キューティクルは髪の内部にある栄養分が流れ出してしまうのを防ぐために存在している物質。軟毛が傷みやすいのはこのためです。
軟毛と普通毛の構造の違い
もう少し詳しく軟毛と普通の髪の違いをみていきます。髪は、「キューティクル」、その内側にある「コルテックス、芯の部分にある「メデュラ」の3層でできています。さらにコルテックスは、水分と仲良くなりやすいコルテックスと、水分は弾いてしまう性質を持つコルテックスの2種類にわかれます。
前者をオルトコルテックス、後者をパラコルテックスといいますが、軟毛は水分となじみやすいオルトコルテックスの比率が高くなっていることがわかっています。
軟毛はパーマがかかる部分が少ない?!
コルテックスは、パーマのかかり具合と深い関係のある成分です。なぜなら、パーマのウェーブが記憶される成分は、パラコルテックスに多く含まれており、オルトコルテックスには少ないから。
つまり、軟毛は「パーマがかかる部分自体が少ない」といえ、それが原因で「軟毛はパーマがかかりにくい」という現象が起きてしまうのです。
デジタルパーマは軟毛でもかかりやすい
軟毛の方におすすめのパーマとしてよく「デジタルパーマ」が取り上げられています。デジタルパーマは簡単にいうと、熱の力を使い髪にウェーブを「形状記憶」させる仕組みのパーマです。普通のパーマは髪が濡れている時のほうが、ウェーブがはっきり出るのに対し、デジタルパーマは髪が乾いている時のほうがウェーブやカールがはっきり出るという違いがあります。
デジタルパーマでは、軟毛の方の難題である「乾くとパーマが伸びてしまう」ということと無縁なことから、軟毛でも好みのカールを作ることができます。ただし熱を加える分傷みやすい点は否めないので、デジタルパーマをかける前後は髪の健康に十分気をつけたいものです。


